中学校

内進生座談会

内進生座談会

本物の体験を通じて、本物の思考力や理解力を育むという成立学園の教育は、どのように行われ、生徒たちはどのように成長していくのでしょうか。中学から在籍する先輩の高校生3人に、それぞれの体験と成長について聞きました。

体と手で本物を体験・発見

――成立学園独自の「アース・プロジェクト」は、教科書では学べないことを発見・体験できる機会ですね。実際に経験してみて、どのような驚き、感動がありましたか。

チャレンジキャンプ(中学1年):富士山の歴史や地質、動植物について学んだことを、登山や自然探索を通して実際に体感しながら、仲間との絆を深めます。

木原くん: 「チャレンジキャンプ」は、富士山の5合目から6合目までを登ったり、湧き水で養殖されているニジマスを素手でつかんだりと、体を使うプログラムが盛りだくさんでした。
なかでも、氷穴の探検が一番思い出に残っています。かがまないと進めないような薄暗くて狭い所を抜けると、その先にはまさに「神秘的」「幻想的」としか言いようのない世界が広がっていて、すごくワクワクしました。

稲葉さん: 館山での「海のフィールドワーク」も、面白かったです。磯にも、シュノーケリングでのぞいた海中にも、カニや貝、魚など、想像していた以上に多種多様な生物がいて、捕まえたり、触ったりすることができました。
私たちのグループはウニを選んで、大学生の方にアドバイスをもらいながら調べた内容を発表しました。ウニは、岩にしっかり張りついていられるように、針の先に吸盤があると知り、驚きました。

海のフィールドワーク(中学2年):房総半島の館山にある東京海洋大学の研究施設を利用して、海洋生物の観察や調査をしながら海の生態系について学ぶ貴重な機会です。

アース・ツアー(中学3年):世界自然遺産に指定されている屋久島の縄文杉で自然の雄大なスケールを肌で感じたり、種子島宇宙センターでの見学などを体験します。

林くん: 生まれて初めてのことばかりで、どれも楽しかったし、とてもいい経験になりました。一番印象に残っているのは、「アース・ツアー」で訪れた屋久島です。朝早くから出かけたトレッキングでは、都会では絶対に味わえない自然の雄大さを体で感じることができ、樹齢数千年といわれる巨大な縄文杉を目にしたときの感動は、今でもよく覚えています。

――鷲宮グラウンドの近くにある「成立田」では、米作りを経験する水田学習がありますね。

林くん: 泥水の中を歩き回ったのは、生まれて初めての経験でした。稲刈りには鎌を使うのですが、みんな数本刈るのにも苦労していました。農家の皆さんにやり方を教えていただいて作業をするうちに、力の入れ方が少しずつわかってきて、最後には、数十本まとめて刈れるようになりました。
水田学習を経験したことで、お米に限らず、食べ物に対する考え方が変わり、日々食べられることをありがたいと思うようになりました。

木原くん: 田んぼの中や周辺では、虫やカエル、アメンボなどいろいろな生き物を目にしました。田畑は、農作物を作るという役割があるだけでなく、さまざまな生物の生息場所にもなっているんだなと実感しました。
脱穀ともみの選別は、普段は機械でやるそうですが、水田学習では、昔から伝わる「足踏み脱穀機」と「唐箕(とうみ)」を使いました。これも貴重な経験だと思います。

水田学習(中学1〜3年):田植えから脱穀までのすべてを手作業で行うことで、食の安全や農業に関わる人への感謝の心など、関心を広げ、教科学習と連携させます。

稲葉さん: 一列に並んで苗を植えていく田植えでは、ずっとかがんだ姿勢のままなので、毎日部活動で体を動かしている私でも、腰が痛くなりました。
収穫後に、釜で炊いていただいたご飯は、自分たちが作ったという思いもあって、いつも以上においしかったです! 私たちが体験した作業は一部ですが、お米一粒を作るのにどれだけ手間がかかっているのかがよく分かりました。

教室では得られない、仲間・先輩とのふれ合い

――中学1・2年生がグループになって行動する「コミュニケーションキャンプ」など、クラスや学年を超えたプログラムもありますね。

木原くん: 先生たちからは「2年生に任せたぞ」と言われて、2年生が、1年生と一緒に楽しめそうなレクリエーションを考えたり、クラブや行事の紹介をしたりします。自然と、「そうか、自分は先輩になったんだ」という実感が湧いてきます。

稲葉さん: グループごとに飯ごう炊さんでカレーライスを作るのですが、毎年2年生が火の起こし方やお米の水加減を1年生に伝授しています。ただ話をするよりも、一緒に作業をした方が、打ち解けやすいと思いました。

林くん: 6年間を一緒に過ごすので、横だけでなく、縦のつながりも大切だと思います。その意味でも、コミュニケーションキャンプで、クラスやクラブ以外に顔見知りの先輩や後輩ができるのは、とてもいいなと感じています。

稲葉さん: 私も、不安と期待が入り交じっていた入学直後に、オリエンテーションで2年生に校内を案内してもらえ、顔見知りの先輩ができたことが心強かったです。

木原くん: 校外の活動では、教室では分からなかった、クラスメイトの新たな一面を知ることができるので、距離が縮まるきっかけになります。

林くん: それぞれに得意なこと、不得意なことがあるので、助け合ったり、協力したりするうちに、信頼感が強まっていったような気がします。

コミュニケーションキャンプ(中学1・2年):教えてもらった生徒が、1年後に教える側に回り、自分の成長を実感します。夕食後の「キャンドルイベント」のカラフルなろうそく・炎は生徒一人ひとりの個性を、ともした火を大切に運ぶことはこれまで大切に育ててきた親の思いを表します。そしてその大切な一つの炎が集まった大きく明るい炎は、成立学園に集う仲間たちを表しています。

自分の関心のあるテーマを追究・発表する

――「ナショジオ学習」では、授業のように全員が同じ内容を学ぶのではなく、それぞれが関心のあるテーマに取り組みます。

2021年4月号

林くん: 月刊誌『ナショシオナル ジオグラフィック』には興味を引く写真や記事も多く、毎号いろいろな気付きがたくさんありました。でも読む分には面白いのですが、毎月レポートを書くのは、正直言って大変でした。
毎年11月には「ナショジオ発表会」というグループごとの発表もあって、中学1年のときはものすごく緊張しました。

稲葉さん: 発表会用のプレゼン資料はiPadのKeynoteで作るのですが、最初はどうすればよいのかわからなくて、四苦八苦しました。でも、先輩の発表を見て、少しずつ資料の作り方や、プレゼンの進め方がわかってきて、中学3年の発表では自分でも上達したなと思えるまでになりました。

ナショジオ発表会(中学1〜3年):成立は、日本で唯一の「ナショナル ジオグラフィック教育実験校」です。「ナショナル ジオグラフィック」から1枚の写真を選び、課題を見つけ、グループで問題を調査・分析した結果を、中学生全員と保護者が集う場で発表します。進学後や社会人になってからも役立つ、グループワークや発信力、課題解決能力が身に付きます。

木原くん: 私は、大勢の前でもあまり緊張しないので、発表そのものは結構楽しめました。地球温暖化の象徴として、よくペンギンと流氷の写真を見かけますが、あの写真をテーマに選んだこともあります。将来のイメージではなく、実際に起こっている現象なのだとわかり、温暖化対策の重要性を実感しました。

――「働くこと」をテーマとする「卒業論文」もありますね。

林くん: 最初に聞いたときは「えっ、中学生で卒論?!」と驚きました。もともと興味のある医療分野のテーマの中から、父のアドバイスもあって、将来のがん治療に役立つ技術を調べてみようと思い、「ナノマシンを活用した医療革命」をまとめて発表しました。
ナノマシンを開発しているメーカーに取材のお願いをしてみたところ、快く受けてくださり、施設見学までさせていただけて、とてもいい勉強になりました。将来は何らかの形で医療に貢献する仕事をしたいと考えているのですが、その思いが一層強まりました。

木原くん: 尊敬している英語の先生がいて、英語教育について何かを調べてみようと思い立ち、今話題の「英語の4技能(読む・書く・聞く話す)」をテーマに選びました。
苦手な技能を作らず、偏りができないように勉強するのが理想的という結論を出したのですが、高校になると英語の難易度が上がってくるので、気が付くと自分の4技能にばらつきが出てきてしまって......。卒業論文で自分が出した結論は間違っていなかったな、と実感しているところです。

卒業論文(中学3年):「働くこと」をテーマに取材や調査を行い、論文にまとめます。その過程を通じて、将来の夢や目標の輪郭を明確にし、高校での学習や進学の方向性につなげていきます。

稲葉さん: 家族がインフルエンザの予防接種で健康被害に遭ったため、ワクチンに興味をもつようになり、「予防接種のメリットと健康被害」について調べました。
全く知識のない分野だったので、調べるのに手一杯で、まとめるところまで手が回らず、最後は卒業論文担当の先生がいろいろとアドバイスしてくださいました。「どうすれば被害をなくせるのか」という問題解決に向けて、自分で調べ、考え、結論を出すところまでやり通せた分、充実感も大きかったです。また、職場体験と合わせて、進路について考えるいいきっかけになったと思います。

将来について深く考える機会も

――3年生は2日間の「職場体験」をします。みなさんはどのような体験をしましたか。

林くん: 医療分野希望なので、デイサービスを併設している病院に行かせてもらえました。スタッフのお年寄りへの話しかけ方や接し方は本当に丁寧で、とても勉強になりました。
将来は医療系の仕事に就きたいと考えているので、高齢化が進むということの大変さ、高齢者へのサービスの大切さを実感できたのは収穫でした。

稲葉さん: 私は子どもと接する仕事に就けたらと思っているのですが、先生が「少し視点を変えて、高齢者のサポートを経験してみたら」と提案してくださり、林くんと同じ病院に行きました。
スタッフに介護職を選んだ理由を聞いているうちに、子どもと接する仕事にも、私が今考えている以上にいろいろな選択肢があるんだと思うようになりました。

職場体験(中学3年):社会人の方との交流を通して多様な意見に直面し、仕事をそれまでの「イメージ」でとらえるのではなく、理解を深めます。そこで得た職業理解のための視点や考え方は、その後の学習や将来設計に生かされています。(写真は王子警察署での様子)

木原くん: 私の場合は2人とは逆で、自分のやりたいこととは直接結び付きのない美容室に行って、美容師さんを手伝ったり掃き掃除をしたりしました。
初めて会う人と話すのが苦手なので、お客さんに何かを聞いたり、声を掛けたりするのは正直、大変でした。それでも、この機会がなかったらたぶん一生触れない世界を知り、体験できたことには、意味があると感じていて、その機会を作ってくれた先生に感謝しています。

――高校では1年次に2つのコース、2年次からは5つのクラスに分かれますね。

木原くん:中学からの内部進学者は、1年次に「特進」か「スーパー特選」かに加えて、内進クラスにするか、外部生クラスにするかも選択できます。レベルの高低だけにとらわれず、自分の性格や進路に合わせて、じっくり考えたほうがいいと思います。
私は、志望大学・学部はだいたい決まっていて、部活も最後まで全力で取り組みたいので、いろいろ検討した上で「特進総合クラス」を選びました。

稲葉さん: 高校1年では「スーパー特選」の内進クラスを選びました。担任の先生に、看護・医療の仕事を目指したいと相談し、両親とも話し合いをして、2年からは「選抜クラス」に進むことにしました。チアリーディング部との両立は大変だと思いますが、それを前提に先生が勉強スケジュールを一緒に考えてくださるので、あとは私が頑張るだけです!

林くん: 私も、高校1年は「スーパー特選」の内進クラスでした。レベルの高い講義を受けられる理工学部への進学を考えているので、2年からは「難関クラス」に進みます。

人間的に大きく成長できる部活動

――成立学園には部活動に打ち込む生徒が多いですね。

部活動:仲間と切磋琢磨することで、社会の中で多様な人々と関りながら生きていくために必要なコミュニケーション力を育みます。

稲葉さん: 受験前に成立祭を見に来て、合格したら絶対チアリーディング部に入ると決めていました。全国レベルの高校生と一緒に練習できる環境は、とても恵まれていると思います。互いに体を預け、支えて演技をするので、仲間との信頼感や絆がとても深まります。また、厳しい練習を乗り越えて、全国大会出場を果たせたときは、すごく嬉しかったですし、少し自信も付きました。

木原くん:小学生からダンスを習っていて、体験入部で入部を決めました。ダンスの上手な人、みんなをまとめるのが得意な人など、いろいろな先輩に出会え、礼儀などのマナーも大切だと教わり、人間的にも成長できる場となっています。
成立祭のステージでは、照明や音響など演出を経験でき、自分の中でダンスの世界が大きく広がりました。

林くん: 私も経験があったことから、軟式野球部に入りました。練習は週3日と少なめですが、チームワークを維持するため、日頃から意識的にコミュニケーションを図っています。コロナ禍の休校期間中も、オンラインミーティングで交流をしていました。

――勉強と部活動の両立はどうしているのですか。

林くん: 部活動のない日に集中して時間をかけて取り組む必要のある学習をするようにして、勉強のペースを保つことを心掛けています。
中学に入った頃は、よく家族から「勉強しなさい」と言われていましたが、クラスメイトが部活動も勉強も頑張っている姿に刺激を受け、勉強は自分のためにするものと考えるようになりました。

稲葉さん: チアリーディングの練習は週5日、大会前は土日にもあるので、勉強との両立はかなり大変です。定期試験前の1週間は部活動が休みになるので、「STSC」で集中的に勉強をして乗り切っています。

木原くん:中学時代は両立をそれほど大変とは思っていませんでしたが、高校になるとそういう訳にはいきません。でも、分からないところがあってもすぐに先生に聞ける「STSC」をはじめ、放課後に効率よく自習のできる環境が整っているので、とても助かります。

放課後のSTSC:STSCは、部活動の前や、終わった後でも学習することができます。また、わからないことがあったらすぐに先生に質問したり、チューターの先輩に相談したりすることができます。

日頃の成果やアイディアが披露される成立祭

――「成立祭」は、中学・高校の生徒全員が参加する一大イベントです。

成立祭ステージ:チアリーディング部・ダンス部・吹奏楽部・合唱部がコラボしたオープニングイベント。毎年工夫を凝らした内容が盛りだくさんです。

木原くん:講堂と屋外にステージが作られて、いろいろなクラブが演奏や演技を披露します。また、中学は学年ごと、高校はクラスごとに企画を考えていて、それぞれのカラーが反映されていて面白いです。

稲葉さん: チアリーディング部は講堂と屋外の両方で演技をします。中学生と高校生の合同演技があって、毎年それが楽しみです。

林くん: クラス企画では、中学3年のときに私が設計図を描いてメリーゴーラウンドを作りました。板の下にタイヤを付けて、上に椅子を載せるだけのものですが、完成したのは当日の朝でした。4人掛かりで走り回って回転させるので、1回やるだけで汗だくでした。

――2020年度の成立祭は、オンラインとなりましたね。

木原くん:1日目は講堂ステージのライブ映像を、2日目は各クラスが制作した動画を配信し、自宅でそれを見てもらう「オンライン成立祭」でした。
私は、ダンス部での照明・音響の経験を生かし、実行委員としてライブ配信全般を担当しました。

林くん: 私たちのクラスは、先生が板書している間に、一番前の席からボールや辞書を手渡ししていくバケツリレーが、先生にばれないかどうかを検証する動画を作成しました。

稲葉さん: カメラを複数置いて、いろいろな角度からそれを撮影し、それを編集して15分の動画にまとめたんです。私は、予告編の作成担当で、何十ものクラス動画の中から選んで見てもらえるように、吹き出しやテロップの入れ方を工夫しました。

オンライン成立祭:昨年実施したオンラインでの文化祭。見えない恐怖に負けず現状を突破していくコンセプトで、実行委員が中心となって全校を見事に巻き込みました。

――最後に、成立学園の自慢できるところは何でしょうか。

木原くん:いろいろなクラブや同好会があって、それぞれの活動の内容も濃いので、部活動を通して、自分の可能性や将来の選択肢を広げられると思います! 私自身は、部活動や成立祭を通して、将来のビジョンを固めることができました。

稲葉さん: 楽しい行事と仲間に囲まれて、楽しい毎日を過ごせる学校だと思います。先生方が熱心に対応してくださるので、毎日練習のあるクラブに入っても、勉強と部活動を両立させられます!

林くん: 少人数なので、仲間とのコミュニケーションがとりやすく、行事などでも一人ひとりにスポットが当たり、皆が主役になれます。また、先生との距離が近く、自分のことを見ていてくれるので、質問もしやすい学校です。

高校2年 難関クラス 軟式野球部
林 空都くん

高校2年 選抜クラス チアリーディング部
稲葉 天乃さん

高校3年 特進総合クラス ダンス部
木原 哉翔くん

学校生活の様子

  • 校長ブログ
  • SEIRITZ TV
  • Earth Project Blog